Amazonプライムメンバーとして、私は普段サプリメントをAmazonで購入しています。お買い得な価格、高い品質、配達の速さがAmazonを使うメリットです。良質のプロバイオティクスは、ボトル１個あたり65ドルから90ドルの値段がします。しかし、配達時間と輸送条件（温度や湿度）このような商品に置いて非常に重要な条件となります。しかしほとんどのサプリメント企業は、プロバイオティクスをドライアイスで包装することすらしないのです。多くの場合、3～5営業日かかるUSPSファーストクラスの配送を使用し、ごくわずかな企業のみがドライアイスを使用した2日間の配送を使用しています。それでも、氷が溶けた状態で到着する場合は治療用バクテリアの生存率が問題になります。
2015年、Amazonは30分以内に荷物を配達する事ができる「Prime Air」ドローン配達システムを発表しました。私は、最適な温度で同日でプロバイオティクスを受け取ることができるなんてどれだけ素晴らしい事か、という点に注目しました。
AmazonのPrime Airの配達は現状まだ行われていませんが、Amazonは現在も実装に向けて尽力しているようです。現在、GoogleやWalgreensを含む他の企業もドローン配達の実装に取り組んでいます。GoogleXプロジェクトであるProject Wingは、参加しているWalgreensから6マイル以内の住宅に商品を配送するための自律配達ドローンサービスセットです。Project Wingは、心臓除細動器などの医療処方箋から緊急用機器までを提供することから、大きな期待が寄せられています。Project Wingは買い物を便利にするだけでなく、人間の命を救う可能性もあるという訳です。
ドローン配送の課題とブロックチェーンによるサポート
昨年、FAAは2022年までに452,000台の商用ドローンが使用されると予測していましたが、現在のところ来年の初め頃に業界がその規模に達すると予想しています。FAAは、商用ドローン市場が今後5年間で3倍になり、2023年までに835,000機に達すると予測しています。
研究、パイロットトレーニング、撮影、建物の検査、その他の多くの専門的な活動に使用される商用ドローンは、通常一般で使用されているドローンよりも高価で頑丈ですが、FAAによると、趣味用のドローンの数ははるかに上回るとしています。今日では、全国でおよそ125万人のアマチュアがドローンを使用しており、2023年までにその市場が140万人にまで成長すると予測しています。
グーグルやアマゾンのような巨大企業が一般向けの配達ドローンプロジェクトの立ち上げに取り組んでいる為、将来的に空は私たちが思っているよりも早く何千ものドローンで埋め尽くされているかもしれません。
しかし適切な監査、追跡、およびセキュリティがなければ、ドローンテクノロジーは良いというよりも大きな災害をもたらす可能性があります。現在、各ドローンメーカーは、独自プロトコルを通して各ドローンを制御しています。つまり他社のドローンと効率的かつ安全に通信することができないのです。これは一度に多くのドローンが飛行する事で問題になる可能性があります。
また、従来の中央集中型の性質により、ドローンのバックエンドアーキテクチャが危険にさらされたり、停止したりする危険性も無視できません。ドローンは、ブランドに関係なく、互いに安全に通信できる必要があるのです。デバイス間の相互運用性は、IoTの未来にとって不可欠であり、ドローンは無人の飛行コンピューターであるためもちろん相互運用性が不可欠な領域です。
悪意のある攻撃者は、ハッキングやマルウェアを通じてドローンを利用しようとする可能性も否定できません。さらに配達用に使用されるには世間の目からもドローンは脅威ではなく安全であると見なされる必要があります。
配達においては、利益を保護するためにある程度の情報の透明性を要求する複数の利害関係者、つまり送付人、受取人、規制当局、保険会社が存在します。
ブロックチェーン技術を使用すれば、ドローン配達における多くの問題点を軽減し、前述の問題のソリューションを提供し、完全に分散された抵抗性のあるフォールトトレラントソリューションを通じてIoTの真の形を引き出す事ができます。多目的、ミニチュア、ブロックチェーン対応のIoTデバイスである当社のAxonデバイスは、すべてのドローンからブロックチェーンへの相互作用を促進する責任を負います。
ドローンは、配達以外にも他の商用アプリケーションにも使用されることが増えています。ただし、この記事では公に飛行する潜在的に悪用可能なデバイスに関する多くの疑問を提起するため、配達に特にフォーカスして紹介していきます。
ブロックチェーンを使う理由
ブロックチェーンは、分散化、冗長性、フォールトトレランス、セキュリティ、およびスケーラビリティという優れたバックエンドソリューションにおける多くの側面を組み合わせています。ブロックチェーンは、アーキテクチャの面で健全であることに加えて、送信されるすべての情報の検証者として機能します。これにより、一意の暗号化キーを通じて、デジタルID、署名、所有権を簡単に確認し、台帳のような形式で記録する事が可能になります。ドローンからのセンサー、分析、飛行データは、ブロックチェーン上で不変に署名および記録され、監査可能の永続的な履歴を残します。
なぜNEMのCatapultブロックチェーンなのか
特にCatapultブロックチェーンには、マルチシグネチャアクセス、メタデータ、アトミックスマートコントラクト、チェーン上のアカウントに割り当てることができる特別な「ルール」（制限）など、多くの組み込み機能が搭載されています。Catapultは、標準のREST APIインターフェイス経由でも使用できます。つまり、AxonなどのIoTデバイスにマイニングやステーキングは必要ありません。Catapultは、業界標準にすでに適応しているブロックチェーンにおける実用的な選択肢なのです。これらの機能は、所有権、アクセス制御、ピア·ツー·ピアスマート契約を定義するのに非常に役立ち、コンピューティングリソースを犠牲にすることなく、ドローンが真の自律機能を搭載する事ができるようになります。
ドローン配達を安全にするためのブロックチェーン使用
Axonはすでにブロックチェーンと直接動作するように設定されており、必要なのは外部ソースからのセンサー入力のみです。つまり、ドローンは、飛行距離測定、飛行、地理空間、その他のToF（飛行時間）データを含むすべての情報をAxonに提供します。DJIはすでに標準のシリアル通信でAxonと直接通信できる商用ドローンのラインナップを作成しており、DJIには強力なOnBoard SDKもあります。これにより、ドローンのすべての機能、センサー、内部フライトコントローラーに完全にアクセスする事ができるようになります。Axonと組み合わせれば、DJIドローンはすぐにブロックチェーン対応の配達ドローンになるように設定する事ができるのです！
1件の配達には、送付人と受取人だけが関与するわけではありません。ドローン製造会社、送付人、受取人、保険会社、規制当局は、ドローンの飛行データにアクセスできる必要があります。Catapultをすべてのドローンテレメトリデータのアグリゲーターとして使用すると、CatapultのAggregateトランザクションタイプを利用して、チェーン上のイベント時系列を記録する事ができます。この記録は、配達過程におけるすべての利害関係者に送信されます。さらにShamirの秘密共有などのマルチキー暗号化スキームを使用して、許可されたすべての関係者間で暗号化を分散できます。
アクセスコントロールは、ドローンとそれを所有するビジネスとの間のマルチシグニチャー関係の形で設計可能で、そのビジネスのみがブロックチェーンと公開鍵暗号化を通してドローンをコントロールできます。ドローンに特定のGPS座標または他のアクションに移行するように指示する場合、まずチェーンの所有者（または他の適切な関係者）から検証を受ける必要があります。これは、マルチシグネチャを使用して、所有権を1つのビジネスから別のビジネスに移転できることも意味します。
ブロックチェーンは、ドローンの分散コミュニケーションの形としても機能します。他のドローンとの通信は、調整を目的として公的に行われます。Catapultでは、トークンを通してドローンをチェーン上の特定のゾーン内にあるとラベル付けできます。このトークンを所有するドローンは、指定されたエリア内でのみ更新する必要があり、同じ空域に存在する可能性のある他のドローンをチェックします。その他の航空機もブロックチェーンと連動して、ふさがれている、開いている、飛行中に他の航空機が注意する必要のある問題が発生した場合に軌道情報を表示する事が可能になります。。
何千ものドローンが空中に漂っていれば事故は避けられません。保険会社は、事故の理由と状況を判断するために情報にアクセスする必要があります。配達用ドローンは、Axonのブラックボックストラッキングソリューションを使用して、衝突や誤動作の前にフライトテレメトリーと環境条件を記録する事が可能です。また、これは分散型分析の優れた使用例であり、パターンを検出して、何がどこで、どのように、どのタイプのドローンと事故を起こしたかを分析するのにも役立ちます。この貴重なデータは、分散化されたマーケットプレイスとしてブロックチェーンで販売することができ、メーカーやオペレーターは共通のトークンを使用してドローンデータを売買する事が可能になります。その後、データを使用して機能面や経済面を改善し、それによって将来のドローン旅行の安全性を高めることができます。
また、配達1件1件がチェーン上で記録されるため、ドローン配達に対するピア·ツー·ピアのアプローチの可能性が広がります。これを利用すれば、DJI配達ドローンを都市ごとに割り当てることができます。ある家から別の家に荷物をすばやく移したい場合は、ドローンに荷物の受け取りを依頼する事が可能になります。一方、配送料はブロックチェーンのエスクローに入り、ドローンは、要求された住所に配達することを認識し、トランザクションを完了としてマークします。より価値の高い荷物の場合、ドローンのAxonは家の中のAxonと通信して、ドローンが商品を配達するためにガレージまたは窓を開けることさえできるのです。
ピア·ツー·ピアの配達が行われると、ドローンの配達会社に資金が送金され、飛行全体がチェーン上で記録されます。その間、以前のセキュリティ対策が守られており、すべての関係者があらゆる段階での更新を受け取ります。取引がブロックチェーン上で完了すると、送付人、受取人、配達サービス間で相互作用が可能になります。
ドローンはこのような配達に公の空域を利用する可能性が高いため、私有地の空域を利用することで飛行をより効率的に進めることができます。これを可能にするために、土地所有者はドローンがそれぞれの空域を飛行する際にトークンを自動的に獲得できるようにすれば問題が解決します。
結論
ドローンによる配達が急速に現実化しつつあるため、将来的にはセキュリティ、調整、適切なロギングが不可欠になります。ブロックチェーンを使用すれば、このような問題を解決することができ、IoDLT Axonと組み合わせることで、様々なドローンをより安全に飛行させることができるようになります。様々なメーカーやオペレーター間での適切な通信とプロトコルの標準化を通じて、悪意のある攻撃者からドローンを保護し、監査可能性の検証済みの履歴を作成し、未来への道を開くことが不可欠な命題なのです。
